キタムラの事業の柱の一つが年賀状印刷サービスだ。2018年は、写真入り年賀状や、最短1時間仕上げの年賀状などのメニューを用意し、著名デザイナーによるオリジナルデザイン、人気キャラクターをあしらったデザインなどで注目を集めた。
そんな年賀状印刷サービスの販売機会の拡大を目指した施策が、同社が催事場作戦と名付けた取り組みだ。情報システム部 イメージングシステム マネージャー 荒牧敬太郎氏によると、「前年度までは各店舗のプリントサービス受付機で受注していた年賀状印刷を、大規模小売店の催事場などに特設ブースを用意して受け付けようという試みでした」とのこと。店内スペースに制約があるなか、営業の場の拡大を狙ったものだ。

課題となったのは、店舗側との調整に時間がかかる場合が多く、設置台数などの確定がイベント開催の直前になることだった。求められたのは、仕様決定から納品まで短納期で可能なことだ。
荒牧氏は、「海外のベンダーだと数か月の納期を要する場合もあります。納期面の条件をクリアできたのは、エプソンのPCだけでした」という。
その他にも、週末だけブースを展開して夜間や平日には撤去するために、移動が容易であることなど複数の条件を満たしたモデルとして選ばれたのが、エプソンのST180Eと21.5型タッチ対応液晶ディスプレイだった。
システムサポートグループでリーダーを務める大平修司氏は、「スタッフが対面で説明するため、ある程度大きなディスプレイと組み合わせられること、各種のメディアや規格が混在するスマートフォンに対応するための十分なUSBポートを持つことなども評価されました」という。専用スタンドなどが用意されていたこともポイントですね」とのこと。純正の接続金具などの使い勝手も期待通りだったという。

2002年にデジタル化を完了させたキタムラ。店頭での接客を通じて蓄積してきたのは、PCやスマホの扱いに習熟していない来店者に、ストレスなく写真プリントや年賀状を注文してもらうためのノウハウだ。
「スタッフが説明しながら注文いただくことも想定すると、ある程度の大きさのタッチパネルが必要になります。ただ、お客様はスマホやタブレットなど、高機能なタッチデバイスを体験してしまっている。高感度で誤動作のないタッチパネルは必須でしょう。照明の映り込みなどを回避するためモニター角度の変更が容易であること、世代によって異なるスマートフォンのインタフェースなどに、ケーブルの差し替えなしで対応するための十分な数のUSBポートが用意されていることもエプソンPCのメリットといえます」。

大平氏は「店舗以外でもエプソンのPCを使っていますが、特に評価しているのはサポートです。スピードも柔軟な対応も、海外ベンダーにはない魅力です。周辺機器に原因があるのか、PC本体なのかはっきりしない状況でも対応してくれるメーカーは、他にないのではないでしょうか」とエプソンのサポートを評価する。
店頭などの拠点ごとにシステム担当が常駐することは難しいこともあって、受付機などの故障は販売機会の減少に直結する。大平氏によれば「安定稼働や保守の面など、エプソンのPCには、価格以上のメリットがあります」とのことだ。

現在、中古の買い取りと販売、年賀状をはじめとしたプリントサービスに加え、証明写真に注力しているキタムラ。マイナンバーカードなど、有効期限が長期にもなるものもある。本人が納得できない仕上がりの写真は使いたくないという人も多いはずだ。キタムラは、プロの手による撮影と、納得いくまで撮り直しが可能というサービスで市場の評価も高い。
「証明写真用のシステムでは、エプソンのPCに証明写真専用ソフトをインストールして使っています。デジタル一眼レフカメラで撮影した画像を取り込んでデジタル処理した上で、すぐにその場でお客様にプレビューしていただくためにも、十分な処理能力だと思います」。

「スマートフォンの進化によって取り扱う画像が高解像度化しているため、ハードディスクへの転送速度が遅く感じる場面もあります」という大平氏は、将来的にHDDではなく、SSDを利用したPCの採用も視野に入れることになると考えている。
「もちろん、最新機種を使っていないお客様にも継続的に対応するためには、USBポートの数は減らしてほしくありませんし、店頭スペースを考えれば筐体サイズや形状も変更してほしくない。BTOやカスタマイズの自由度も維持してほしいですね」というように、キタムラは現場の今後を見据えて、カスタマイズの柔軟性に期待を寄せる。その期待に応えるポテンシャルを持つエプソンのPCは、キタムラが環境変化に対応していくためにも、なくてはならない存在になりそうだ。